Q. 破産をしたら、「官報」に名前が載ると聞きましたが、周りの人に破産したことを知られてしまうのですか?
A. 可能性は低いです。
破産の手続きの中で、裁判所の決定時(破産手続開始決定時や免責許可決定時)に、「官報」にその決定内容が掲載されます(氏名や住所も記載されます。)。
さて、この「官報」ですが、あなたはこれまで実際に手にして見た経験はありますか?おそらく見たことがある方のほうが少ないでしょう。
官報とは国が発行している新聞のようなもので、法律・法令などの公布やその改正・改定の情報、国の諸報告を広告するために用いられます。官報は行政機関の休日を除き毎日発行されており、本紙だけで32頁あります(号外もあり)。
官報は”官報販売所”で販売しており、誰でも購入することができます。
また、図書館などにも置いてあり閲覧することが可能です。最近ではインターネットでも一部見ることができるようです(インターネット版官報)。
官報には上記のほか、失踪宣告、相続に関する催告や宣告、会社の決算公告なども記載されます。これらに関して、目的をもって官報を見る・確認するという人はいるかもしれませんが、一般の人が何の目的もなく、ただ官報を見るということは滅多にないでしょう。内容も面白いものではないですし、記載事項が膨大であるため、見るのもかなり大変です。破産や個人再生に関するものだけでも毎日大人数の公告が載っています。法律家である私たちでさえ、日常的に官報を確認するということはありません。
よって、破産することを自ら公言した場合や、知人が債権者だという場合(※)を除き、官報に記載されるという理由で破産の事実が人に知られる可能性はかなり低いと言えるでしょう。
(※債権者へは裁判所から通知が送られますので、破産の事実が知られることになります。)
ちなみに、破産したことが戸籍や住民票に記載されてしまう…とご心配される方がいらっしゃいますが、そのようなことはありませんのでご安心ください。