資産(財産)について

Q.破産をすると財産をすべて取られてしまうと聞きました。どのような物を取られてしまいますか?

 

A.不動産や換価価値のある車、高価な美術品等は対象になりますが、通常の生活で使用する家財道具まで取られてしまうということはありません。


破産とは、「自分のあるだけの財産をお金に換えて(「換価」といいます)債権者に配当し、それでも返せない借金を免除してもらう」という手続きですが、生活必需品まで取られてしまうようなことはありませんのでご安心下さい。

 

どのような財産が換価され、どのような財産は手元に置いておけるのか、下記に挙げてみます。

1.不動産

不動産は原則として手放すことになります。

2.車

●ローンが残っている車は、ローン債権者へ返却することになります。

●売却して20万円以上の価値がある車は原則として手放さなければなりません。初年度登録から5年を経過した車については、処分価値は0円とみなされます(ただし、外車や排気量2500cc以上の車は、5年以上経過したものでも実際の処分価値による)。

3.現金

99万円までは手元に置いておくことが可能です(原則として)。

4.預貯金

残高(口座が複数ある場合はその合計金額)が20万円以下であれば取られる心配はありません。

5.動産(家財道具,家電製品,貴金属,美術品など)

原則として家財道具は換価の対象となりません。財産価値のある高価な貴金属や美術品、骨董品などは例外ですが、生活必需品については取られる心配はありません。

但し、ローンが残っていて処分価値の高い家電製品などは、車同様、ローン債権者から返却を求められることになるでしょう。

6.生命保険

●掛け捨ての保険や共済などは、そのまま継続できます。

●積立型のような「解約返戻金」が発生する保険については、破産する時点での解約返戻金の金額が20万円以上ある場合、その返戻金が破産者の財産とみなされ、換価されます。よって、解約してその返戻金を破産財団(*)へ組み入れするか、保険を解約したくない場合は、解約返戻金同額を破産財団へ支払うことになります(一括で支払いできない場合は積立てする)。


*破産財団・・・破産管財人が管理する、破産者の財産。通常、現金にして預金口座に保管される。換価が終了したら債権者へ配当される。

7.退職金

破産する時点での退職金の支払見込額の8分の1が破産者の財産とみなされ、換価されます。

もちろん、実際に退職する必要はありませんが、退職金の8分の1の金額を破産財団へ支払います(一括で支払いできない場合は積立てする)。

ただし、退職金の8分の1の金額が20万円以下である場合は対象となりません。