不況で収入が減ってしまい、消費者金融からお金を借りて住宅ローンの返済をしていますが、このままでは返済ができなくなりそうです。住宅には銀行の抵当に入っており、このままだと住宅が銀行のものになってしまいます。「個人再生」を利用すると、住宅を失わなくて済むのでしょうか?
個人再生には住宅ローンについての特則があり、抵当権が設定された住宅であっても手放さなくても済みます。そして、住宅ローンの支払総額は変えることはできませんが、支払期間を延長することができる場合があります。
個人再生は、住宅などの生活の基礎となる財産を維持しながら、経済的に立ち直るための制度です。
当事務所は、安心して生活ができるようお手伝いをして参りますので、お気軽にご相談ください。
住宅ローンとは、住宅の建設・購入に必要な資金または住宅の改良に必要な資金の貸付けに係る分割払いの定めのあるものをいいます。
住宅ローンを利用する場合、住宅に抵当権が設定されることが通常です。住宅ローンの利用者が「自己破産」をした場合、抵当権はそのまま実行されるので、住宅ローンの利用者は住宅を失うことになります。
しかし、「個人再生」には、住宅ローンについての特則があり、抵当権が設定された住宅であっても手放さなくても済みます。しかし、住宅ローンの支払総額は変えることはできません。
(1)①債務者が所有し、②自己の居住の用に供する建物で、③建物の床面積の1/2以上が専ら居住の用に供されることあること
①夫婦などの共有の場合でもよく、②転勤などのため一時的に他人に賃貸している場合でもよいです。③店舗併用住宅や2世帯住宅でも、債務者が専ら居住用に供する部分が1/2以上であれば要件をみたします。
(2)住宅に、住宅ローンの抵当権が設定され、かつ、住宅ローン以外の抵当権が設定されていないこと
(3)住宅ローンを滞納し、保証会社が住宅ローンの債権者に弁済を行った場合は、その後、6か月を経過していないこと
住宅ローンでは、保証会社が債務者に代わって弁済することが行われます。このような場合に6か月を経過してしまうと、住宅ローンについての特則は利用できなくなります。
(4)住宅ローンの債権者が数人あるときは、その全員に対して住宅ローンについての特則を定めること
住宅ローンについての特則の内容としては、5つの方法があります。
住宅ローンは従来どおりの返済をしながら、住宅ローン以外の債務を再生計画に基づいて減額した上で返済していく方法です。
住宅ローンには、返済が滞ると「期限の利益」を喪失して残金とその利息などを一括して支払うという約定が付いていることが多いです。
こうした約定がある住宅ローンの支払いが既に滞っている場合に、再生計画認可決定後の住宅ローンは従来どおりの返済をしながら、それより前の滞納分と利息などは住宅ローン以外の債務とともに再生計画で定める期間に分割して支払う方法です。
(2)の方法の見込みがない場合で、住宅ローンの期間から最長10年、かつ、最終の支払時に債務者の年齢が70歳を超えない範囲で、返済期間を延長する方法です。
(3)の方法の見込みがない場合で、住宅ローン以外の債務の弁済期間中は住宅ローンの返済額を軽減し、その後に住宅ローンの全額を返済する方法です。
債権者の同意により、住宅ローンの返済計画を自由に決める方法です。