債権の届出

私は、知人にお金を貸していたところ、その知人が自己破産をしたらしく、裁判所から「破産手続開始決定の通知書」が送られてきました。どのような手続きをすればいいのでしょうか?


破産手続において債権を回収しようとする方は、原則として、債権の届出をしなければ配当を受けられません。

裁判所から「破産手続開始決定の通知書」が送られてきた場合、同封されている「破産債権届出書」に所定の事項を記載し、必要な書類を添付して、貸金などの債権があることを届け出る必要があります。

しかし、債権届出をしても破産者の財産が乏しい場合には、配当が受けられないことがあります。

当事務所は、ご依頼者とともに、債権の回収に努力して参りますので、お気軽にご相談ください。

1 破産手続における債権の届出

「破産」とは、債務者の収入や財産で借金などの債務を支払うことができなくなった場合に、債務者の財産をお金に換えて、各債権者に債権額に応じて分配して清算することをいいます。

債務者が「破産」すると、債権者は原則として破産の手続によってしか債権を回収することができません。そして、債権を回収しようとする債権者は、原則として、債権の届出をしなければ配当を受けられません。

2 債権の届出の手続き

(1)いつまでに行えばいい?

原則として、裁判所が決定した「債権届出期間」内に行う必要があります。

具体的な届出期間は、裁判所から送付される「破産手続開始決定の通知書」に記載されています。

「債権届出期間」は、原則として、破産手続開始決定の日から2週間以上4か月以内で指定されます。

(2)どこに届け出ればいい?

破産手続開始決定をした裁判所に届け出ます。

ただし、破産管財人に届け出る場合もありますから、裁判所からの通知をよく確認する必要があります。

(3)何が必要?

ア 破産債権届出書 2通


裁判所から「破産手続開始決定の通知書」が送られてきた場合は、「破産債権届出書」が同封されています。



イ 債権があることを証明する書類 1通


請求書、借用書、手形・小切手など、債権があることを証明する書類のコピーを添付する必要があります。

「破産債権届出書」があっても「債権があることを証明する書類」がなければ、配当を受けることができない場合があります。

3 債権の届出後の手続き

(1)債権の調査

裁判所により選任される「破産管財人」が、届出のあった債権について「認否書」を作成して、債権を調査します。

債権を調査する期日において、債権者は、債権の額などについて、異議を述べることができます。

債権者の責めに帰することができない事由によって、債権を調査する期日・期間の終了までに債権の届出をすることができなかった場合、その事由が消滅してから1か月以内に限って、届出ができる場合があります。この場合、債権を調査するための費用を裁判所に納める必要がある場合があります。

(2)債権の確定

「破産管財人」が認め、かつ、債権者に異議がなければ、債権が確定します。債権者が異議を述べた場合、債権は、原則として確定せず、「査定の裁判」などによって確定します。

(3)配当

以上の手続きによって確定した債権について、破産管財人が「配当表」を作成し、「配当表」に基づいて債権者に弁済がなされます。

しかし、破産者の財産が乏しい場合には、配当が受けられないことがあります。

当事務所は、債権の届出・調査・確定のすべてについて、ご依頼者とともに、債権の回収に努力して参りますので、お気軽にご相談ください。