高齢者の多重債務・生活困窮

もし、あなたが歳をとって働けないとしたら、どのようにお感じになるでしょうか?

 

「年金はきちんともらえるのか?」

「生活保護をもらうようになるのか?」

「破産してしまう!」

など、老後の生活に不安をお感じになる方が多いことでしょう。

 

国民年金は、現在の現役世代の納める保険料によって現在の高齢者の年金給付を賄う制度です。国民年金で受給できる金額は、保険料を毎年きちんと納めた方でも年額約78万円で、保険料を納めていない期間があると減額されます。

 

これに対して、生活保護は、生活に困窮する方に対して必要な保護を行い、健康で文化的な最低限度の生活を保障するとともに、自立を助長する制度で、主に国の税金で賄われています。

 

生活保護は、お年寄りだけでなく、収入、年齢、世帯人数、居住地等から導かれる「最低生活費」より収入が少ない場合に受けることができ、受給できる金額も世帯によって異なります。

 

国民年金を受けていても、世帯の収入が「最低生活費」に満たなければ、生活保護を受けることができる場合があります。

 

最近は、お年寄りになって「自己破産」をする方も増えています。「破産」については、昔からの考えで悪いことのようにお感じになる方も多いですが、個人にとっては借金の負担を減らして経済的な再出発をするための制度とお考えになってはいかがでしょうか。

「自己破産」によって借金の負担を減らすことはできますが、生活のための収入を得る方法については、別に考えなくてはなりません。生活保護を受けることについても、抵抗をお感じになる方がいらっしゃいますが、最低限度の生活を受ける権利が国民には認められているのです。

 

元気に働ける時から老後に備えることが重要ですが、病気や事故で働けなくなることは誰にでも起こり得ることです。もし生活にお困りの場合には、どのような生活の方法があるかをご一緒に考えて参りますので、ぜひ当事務所へお気軽にご相談ください。

 

 

※「国民年金」の詳細は、こちらをご覧ください。

日本年金機構「公的年金制度の役割」

日本年金機構「老齢基礎年金の受給要件・支給開始時期・計算方法」

※「生活保護」の詳細は、こちらをご覧ください。

厚生労働省「『生活保護制度』に関するQ&A」

福岡県弁護士会「生活保護支援システム」